Pythonリスト内包表記の使い方

Pythonでは、新しいリストを生成するときにリスト内包表記(List comprehension)を使うとシンプルに書けます。

  1. データ構造 リストの内包表記 — Python 3.5.3 ドキュメント

ここでは、

リスト内包表記の基本型 ifで条件分岐したリスト内包表記 三項演算子との組み合わせ(if else的な処理) ネストしたリスト内包表記 zip(), enumerate()との組み合わせ

および、リスト内包表記の集合(set)版、辞書(dict)版、ジェネレータ版である、

集合内包表記 辞書内包表記 ジェネレータ式

についてサンプルコードとともに説明します。 for文の基本については

また、リスト内包表記を活用した具体例は

リスト内包表記の基本型

リスト内包表記は以下のように書きます。 [式 for 任意の変数名 in イテラブルオブジェクト]

リストやタプルなどのイテラブルオブジェクトの各要素を任意の変数名で取り出し式で評価、その結果が要素となる新たなリストが返されます。 等価なfor文とともに例を示す。

squares = [i**2 for i in range(5)]
print(squares)
# [0, 1, 4, 9, 16] 

squares = []
for i in range(5):
    squares.append(i**2)

print(squares)
# [0, 1, 4, 9, 16]

ifで条件分岐したリスト内包表記

ifで条件分岐することもできます。以下のように後置でifを記述します。 [式 for 任意の変数名 in イテラブルオブジェクト if 条件式]

条件式がTrueとなるイテラブルオブジェクトの要素のみ式で評価され、その結果が要素となる新たなリストが返されます。 条件式の中でも任意の変数名が使えます。 等価なfor文とともに例を示す。

odds = [i for i in range(10) if i % 2 == 1]
print(odds)
# [1, 3, 5, 7, 9] 

odds = []
for i in range(10):
    if i % 2 == 1:
        odds.append(i)

print(odds)
# [1, 3, 5, 7, 9]

三項演算子との組み合わせ(if else的な処理)

上の例では、条件を満たす要素のみが処理され、条件を満たさない要素は新たなリストから除外されます。 条件によって処理を切り替えたい、if elseのように条件を満たさない要素には別の処理を行いたい場合は三項演算子を使います。 Pythonでは三項演算子は以下のように書けます。 真のときの値 if 条件式 else 偽のときの値

これを以下のようにリスト内包表記の式の部分に使います。 [真のときの値 if 条件式 else 偽のときの値 for 任意の変数名 in イテラブルオブジェクト]

等価なfor文とともに例を示す。

odd_even = ['odd' if i % 2 == 1 else 'even' for i in range(10)]
print(odd_even)
# ['even', 'odd', 'even', 'odd', 'even', 'odd', 'even', 'odd', 'even', 'odd'] 

odd_even = []
for i in range(10):
    if i % 2 == 1:
        odd_even.append('odd')
    else:
        odd_even.append('even')

print(odd_even)
# ['even', 'odd', 'even', 'odd', 'even', 'odd', 'even', 'odd', 'even', 'odd']

真のときの値, 偽のときの値に任意の変数名を使った式を記述することもできます。 条件を満たす場合は何らかの処理を行い、満たさない場合は元のイテラブルオブジェクトの値そのままというようなこともできます。

odd10 = [i * 10 if i % 2 == 1 else i for i in range(10)]
print(odd10)
# [0, 10, 2, 30, 4, 50, 6, 70, 8, 90]

ネストしたリスト内包表記

forループをネストするように、複数のイテラブルオブジェクトを組み合わせることもできます。 [式 for 変数名1 in イテラブルオブジェクト1 for 変数名2 in イテラブルオブジェクト2 for 変数名3 in イテラブルオブジェクト3]

便宜上、改行とインデントを加えているが、文法としては必須ではない。 等価なfor文とともに例を示す。

matrix = [[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]]

flat = [x for row in matrix for x in row]
print(flat)
# [1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9] 

flat = []
for row in matrix:
    for x in row:
        flat.append(x)

print(flat)
# [1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9]

複数の変数を使うこともできます。

cells = [(row, col) for row in range(3) for col in range(2)]
print(cells)
# [(0, 0), (0, 1), (1, 0), (1, 1), (2, 0), (2, 1)]

条件分岐もできます。

cells = [(row, col) for row in range(3)
         for col in range(2) if col == row]
print(cells)
# [(0, 0), (1, 1)]

それぞれのイテラブルオブジェクトに対して条件分岐することもできます。

cells = [(row, col) for row in range(3) if row % 2 == 0
         for col in range(2) if col % 2 == 0]
print(cells)
# [(0, 0), (2, 0)]

zip(), enumerate()との組み合わせ

for文でよく使われる便利な関数に、複数のイテラブルをまとめるzip()やインデックスとともに値を返すenumerate()があります。

zip()やenumerate()をリスト内包表記で使うことももちろんできます。特殊な文法というわけではなく、for文との対応を考えれば難しくない。 zip()の例を示します。

l_str1 = ['a', 'b', 'c']
l_str2 = ['x', 'y', 'z']

l_zip = [(s1, s2) for s1, s2 in zip(l_str1, l_str2)]
print(l_zip)
# [('a', 'x'), ('b', 'y'), ('c', 'z')] 

l_zip = []
for s1, s2 in zip(l_str1, l_str2):
    l_zip.append((s1, s2))

print(l_zip)
# [('a', 'x'), ('b', 'y'), ('c', 'z')]

enumerate()の例を示します。

l_enu = [(i, s) for i, s in enumerate(l_str1)]
print(l_enu)
# [(0, 'a'), (1, 'b'), (2, 'c')] 

l_enu = []
for i, s in enumerate(l_str1):
    l_enu.append((i, s))

print(l_enu)
# [(0, 'a'), (1, 'b'), (2, 'c')]

ifを使う場合もこれまで通りの考え方。

l_zip_if = [(s1, s2) for s1, s2 in zip(l_str1, l_str2) if s1 != 'b']
print(l_zip_if)
# [('a', 'x'), ('c', 'z')]

それぞれの要素を使って新たな要素を算出することもできます。

l_int1 = [1, 2, 3]
l_int2 = [10, 20, 30]

l_sub = [i2 - i1 for i1, i2 in zip(l_int1, l_int2)]
print(l_sub)
# [9, 18, 27]

集合内包表記

リスト内包表記の角括弧[]を波括弧{}に変更すると、集合(set型オブジェクト)が生成されます。 {式 for 任意の変数名 in イテラブルオブジェクト}

s = {i**2 for i in range(5)}

print(s)
# {0, 1, 4, 9, 16}

集合についての詳細は

辞書内包表記

辞書(dict型オブジェクト)も内包表記で生成できます。 {}で囲み、式の部分でキーと値の2つをキー: 値のように指定します。 {キー: 値 for 任意の変数名 in イテラブルオブジェクト}

キーと値には任意の式を指定できます。

l = ['Alice', 'Bob', 'Charlie']

d = {s: len(s) for s in l}
print(d)
# {'Alice': 5, 'Bob': 3, 'Charlie': 7}

キーと値それぞれのリストから新たな辞書を作成する場合はzip()関数を使います。

keys = ['k1', 'k2', 'k3']
values = [1, 2, 3]

d = {k: v for k, v in zip(keys, values)}
print(d)
# {'k1': 1, 'k2': 2, 'k3': 3}

ジェネレータ式

リスト内包表記の角括弧[]を丸括弧()にした場合はタプルではなくジェネレータを返します。これをジェネレータ式(generator expression)という。 リスト内包表記の例を示します。

l = [i**2 for i in range(5)]

print(l)
# [0, 1, 4, 9, 16]

print(type(l))
# <class 'list'>

ジェネレータ式の例を示します。ジェネレータはそのままprint()しても中身は出力されないがfor文でまわすと中身が取得できます。

g = (i**2 for i in range(5))

print(g)
# <generator object <genexpr> at 0x10af944f8>

print(type(g))
# <class 'generator'>

for i in g:
    print(i)
# 0
# 1
# 4
# 9
# 16

ジェネレータ式でもリスト内包表記と同様にifによる条件分岐やネストができます。

g_cells = ((row, col) for row in range(0, 3)
           for col in range(0, 2) if col == row)

print(type(g_cells))
# <class 'generator'>

for i in g_cells:
    print(i)
# (0, 0)
# (1, 1)

例えば要素数が多いリストをリスト内包表記で生成してfor文でまわすような場合、リスト内包表記を使うと最初に全要素を含むリストを生成するが、ジェネレータ式を使うとループが繰り返されるごとに要素が一つずつ生成されるので、メモリの使用量を抑えることができます。 ジェネレータ式を関数の唯一の引数とする場合は丸括弧()を省略できます。

print(sum([i**2 for i in range(5)]))
# 30

print(sum((i**2 for i in range(5))))
# 30

print(sum(i**2 for i in range(5)))
# 30

タプル内包表記はないが、ジェネレータ式をtuple()の引数とすると内包表記の書き方でタプルを生成することができます。

t = tuple(i**2 for i in range(5))

print(t)
# (0, 1, 4, 9, 16)

print(type(t))
# <class 'tuple'>
Last Updated: 6/26/2019, 10:34:03 PM